悲しみと愛に溺れる【ハイキュー!!】短編集

夜久衛輔×OD※リクエスト ページ29

夜久side

さっきから数分おきに、白い錠剤を口に含むA

奥歯で噛み砕くガリガリという音が響く

「何食ってんの」

『まぁ、ちょっとね』

はじめはラムネか何かだと思っていたけど、少し前にこいつの鞄に錠剤瓶が入っているのを見て確信した

いわゆるODだ

普段は明るく元気な方だが、ふとした時に何かのスイッチでローになる

「ほどほどにな」

こういうのは止めると、心の拠り所がなくなり症状が悪化するらしい

かといって、体に良くないのも確かだ

俺には、どうすることもできないのか？









『ナイッサー！！』


『夜久夜久！今のレシーブ超綺麗！！最高じゃん！！』

昼間とは打って変わって明るく話すA

「まぁな！」

やっぱり明るくいてくれた方が安心する

『ドリンク作ってくる！』





数十分経っても戻ってこないA

「俺、ちょっと見てくるよ」


水道に向かうと、女子数人の話し声

「Aちゃんって、なんでバレー部に気に入られてんの？地味女のくせに」

「たいして仕事出来そうにも見えないけど」

『なんで、って言われても、、』

Aの顔色が悪くなるのがわかる

やめてくれ、せっかく調子が良さそうだったのに

「何してんの」

Aと女の間に割って入る

「や、やくくん((「ごめん、今部活中だから邪魔しないで」ｯｯ」

女達は走り去っていった

Aは

『ﾊｧｯ、ﾊｧｯ、、、ｯｯ、、ﾊｧ』

過呼吸だ

『く、すりｯｯ、、』

Aはポケットから瓶を取り出し、錠剤を大量に口に流しこんだ

「おい！A！！」

『ﾊｧ、ﾊｧｯ、、治んないｯｯ、、、なんでｯｯ、』

再び手に薬を出そうとする

「おいA！聞け！！聞けって！！」

ハッとして固まるA

「こっち見て」

ゆっくりと目を合わせ、段々と落ち着く呼吸

『夜久、私、』

「必要なくない」

『え、』

「俺はAに居てほしい、Aが必要だ」

「もしお前が不安なら、何度でも言ってやる

俺はお前が必要だ！！」

ボタボタとAの目から涙が溢れる

『うぅｯ、、、ぉぇ、、』

さっき無理矢理流しこんだ薬と水が逆流してくる

Aの背中を撫でて落ち着かせる

「あんま、体に無理させんなよ
不安なら俺に相談しろ
俺より薬の方が頼れるって言うのか？」

『うう、ん』

「俺は音駒のリベロだぜ?背中は俺が護ってやるよ」


『ふふ、、クサいわ
...ありがと』

いつのまにか落ち着いた呼吸

久しぶりに見たいつも笑顔

それだけで、俺は十分だ

縁下力×過食嘔吐※リクエスト→←孤爪研磨×月島蛍×アムカ※リクエスト

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