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風呂から戻ると、何やらリビングがばたついていた。




「どしたの」



「はしもっちゃんが寒いって。熱出てきたっぽい」




ガリさんが厚手の毛布をそっとかける。


覗き込むと、自分を抱きしめながらふるふる震えていた。


少しでも温かくなるように、手を入れてさすってやる。





「37.7かあ、」



優斗が眉毛を下げてうーんと唸る。



「この寒がり方はきっとまだ上がるから、解熱剤はその時かな」



作間も眉間に皺を寄せる。




話し合いの末、明日仕事がある優斗とガリさんには自室で寝てもらって、作間と俺は和室ではしもっちゃんと寝ることになった。





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何か物音がした気がして、意識が浮上する。


さすがに作間も俺も疲れていたためすぐに布団に入ったが、そばにあるスマホで時刻を確認するとまだ2時間も経っていない。



もう一度寝ようと寝返りをうつと、はしもっちゃんがいないことに気がついた。



焦って起き上がった直後、ドタっという音。




慌てて和室を出るとすぐそこにはしもっちゃんが座り込んでいた。



「はしもっちゃん!大丈夫?」




駆け寄って触れた背中は尋常じゃない熱をもっている。



こんな身体で、起こしてくれてよかったのに、と悔しさが湧き上がる。




俺の声で目を覚ましたのか作間も起きてきた。




「はあ、ちょっと気持ち悪くて、立ったらぐるって、」




短時間で熱が上がったせいか、身体がついていけずに吐き気と眩暈が出てきてしまったんだろう。





その言葉を聞いて作間がビニール袋を持ってきた。





「大丈夫だから、ここで出していいよ」




足もまだ安静にしておいた方がいいし、短い距離でも動くのはかなり辛そう。




最初は嫌だと首を振っていたけど耐えられなくなったのか、涙をポロポロ零しながら声も出さずに弱々しく戻し始めた。





「、しんどいな…」




大きく上下する肩と熱い背中をさすることしかできない自分がもどかしかった。

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ぶる(プロフ) - 更新楽しみにしています! (2021年1月27日 21時) (レス) id: 6a2962c17e (このIDを非表示/違反報告)
きょもほく - はじめまして!更新頑張ってください!! (2021年1月26日 15時) (レス) id: 5c9a2881b6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ドン | 作成日時:2021年1月26日 3時

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