1人じゃないから複数形

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あれから、あれよあれよという間にマネ車に乗って病院へ向かった。



はしもっちゃんはずっとぐったりして辛そうで、車内の空気もずんと重い。





みんなで行くのも、と代表で診察に着いていった優斗とマネージャーに抱えられるようにして戻ってきた。




「うそ、そんな酷かったの」




瑞稀くんの言葉も無理はない。


最後にマネージャーが松葉杖を車に乗せたからだ。





「昨日の昼公演だって。靭帯までいっちゃってるから全治1ヶ月くらい」



「昼公演、…気づかなかったわ」




ガリさんが悔しそうに漏らす。





「せっかく無事に終わったのに、みんなも疲れてるのに、ほんとごめん、」





はしもっちゃんの言葉にいや無事じゃないでしょ、と心の中でツッコむ。



去年も腰痛めてても誰にも何も言わなかったし、はしもっちゃんの性格を考えたら自分でどうにかしようとすることなんて安易に想像できる。




「まあ！とりあえず舞台お疲れ様ってことで今夜は出前でもとってゆっくりしよ！」




な！と急な優斗の馬鹿でかい声にマネージャーからうるさいとお叱りが飛んだ。





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夜。あんまり食欲ないと、夕ご飯もそこそこにソファーで寝息を立て始めたはしもっちゃんを横にみんなで反省会。



「昨日から一人で気張ってたんだもん、そりゃ疲れるよな」



「でも、もうちょっと頼ってくれてもいいと思うんだけど」



「迷惑とか心配とかかけたくなかったんでしょ」



「階段きついと思うから和室に布団出そ、あと捻挫酷いから熱出るかもって解熱剤もらった」





まじか、とこれからのことを考えて無意識に溜息が出た。

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