1人じゃないから複数形

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side：M





「え、はしもっちゃん？」





今年も無事に幕が降りた。


達成感と少しの疲労と喜びなのか寂しさなのか、なんとも言えない感情を噛み締めていると後ろから作間の焦ったような声が聞こえた。




いつも横に立っているはずの姿はなく、床で倒れながら足を押さえて蹲り、大粒の汗と苦悶の表情を浮かべて荒い呼吸を繰り返す。






「ちょ、大丈夫？！なに、足痛めた？」





響いた俺の声に2人と美少年もやってきて取り囲む。





「すごい汗、タオル貰ってくる」


　
「冷やすものとかいるよね」



「マネージャー探してきます」



「とにかく靴脱がそ、」




大昇と浮所、金指が走っていき、優斗の指示で那須が靴に手をかける。



足を動かすと酷く痛むんだろう、断末魔のような唸り声をあげるはしもっちゃんを落ち着かせながら靴を脱がせると




「なにこれ、」




頭上から龍我の困惑した声が聞こえた。




顕になった足首はやりすぎなくらいテーピングでガチガチに固定されていて、それでもわかるくらい腫れ上がっている。




「いつから？」




明らかに今起こったものではないことだとわかり、怒気をを含んだ声でガリさんが問いかけた。


でもはしもっちゃんは、ううと声を漏らすだけで答えない。




「とりあえずここにいてもだし、楽屋戻って着替えて早く病院行かないと」





藤井くんの言葉に焦りと不安を感じながらも、みんなそれぞれ動き出した。

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