四季遥と私の話。 (ページ5)

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来ました、サッカー観戦！あれから2ヶ月、私は日本でサッカー観戦をしていた。私自身のサッカーの実力もかなり上がってきている。だから、見たら誰が上手いか、すぐに分かってしまう。
今日は私の応援する湘南ブルーインパルスの試合。マリオ・ロペスさんがこの前の試合で退団しちゃったから、少し不安ではあるが、勝ってほしい。ロペスさんの代わりの人の実力次第な気もする。

「ロペス退団の穴を埋めるのは、四季遥！いったいどのようなプレーを見せてくれるのでしょうか！いざ、キックオフ！」

え…？私はそぉーっと、身を乗り出した。

遥さん…

遥さんのドリブルは、華麗で、観察眼とかも…状況把握がすごく上手い。こんな形で再開するなんて！インパルスにいるなんて！
私の心は湧いていた。

遥さん…また、私に教えてもらえませんか…？

ただ、そんな彼にも弱点があるようだった。
攻撃力は凄いのに、守備はほとんどしない。私と一対一なら、普通に守備も上手かったのに。
追いかけてない…という感じか。後ろで味方が抜かれても気づかなかったように…まさか。

左目が、見えてない…………？

試合が終わる。どちらが勝ったんだっけ？記憶にない。私は…走った。遥さんに会うために。
どちらに行けば会える？私はがむしゃらに走る。試合が終わって30分。まだ、遠くにはいないはず。

走れ、私。私は沈み行かない太陽の10分の1以下の速度で走った。

……全然急いでるように聞こえない。

(今考えれば、太陽の10倍なんだよね、『走れメロス』は。それって凄いスピード出してない？衝撃波ヤバくない？しかも、そのスピードで走ってもギリギリっていったいどんだけ広い世界なんだよ)

走れ、探せ。視野を広くして捉えろ！私！

いた！あの人だ。

「遥さんっ！」

「ん…あれ、おまえ…レナ」

遥さんが驚いたような顔で見てくる。

「私のこと、忘れてなかったの…？」

忘れられてると思ってた。記憶が忘却のかなたに…的な。

「一番弟子だからな…忘れるはずねえよ」

遥さん…私…あなたに、もっと教えてほしいです。一緒にサッカーがしたい。

「あー、おまえ…上達してんのか？俺が見てない間に」

少しは。けど、やっぱり遥さんがいないとだめ。

「ワン・ツーの練習ってやったか？まだ？じゃあ、今からやるぞ。このあたりに公園かグラウンドはあるか？」

この流れは…またサッカーできる感じだ！
嬉しい。待ち続けたことがまたできるなんて。