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別に、と冷たいことを言って目を背けてしまった。そして少し後悔した。
私は、自分と同じようにサッカー好きの友達はおらず、常に1人でボールを蹴っていたからだ。それも、他のこと優先でサッカーはおろそかになりがちであった。
「悪い。言いすぎた」
……は？
「今更謝ったって遅いんです！」
つまらないことを言ってしまう。四季遥は笑いも怒りもしないでこちらを見ていた。その顔を見てハッとした。あれは…サッカーが好きな人の顔。
「わかった。１対１、やろう！サッカーは楽しければ、いいんだよね？」
わかってんじゃねーか、四季遥さんはそう言ってボールを渡してきた。
「俺を抜いてみろ」
まぁ、無理だろうけど。
その言葉が私の闘志に火をつけた。
「うおリャー‼」
「叫べばいいってもんじゃない」
私の華麗(？)なドリブルはあっさり止められた。
「四季さんってやっぱりワールドクラスなんじゃ…」
私の一言はあっさりスルーされた。
「続けるぞ。おまえ、下手すぎだ！」
とガラスのハートをぶち壊しにくる。
「うう…」
な・ん・で！勝てないのよ〜！
「俺は一応プロチームでやってた。素人がそんな簡単に勝てるわけないだろ」
やっぱりプロなんじゃないの！
「ドリブル、一から徹底的に鍛えなおしてやる」
3時間かかったドリブル練習。全然上手くなった気がしない。夕暮れ時を過ぎ、カラスが鳴く時間帯。
「レナ…だったか？下手くそすぎて見てられない。幸い、こっちも暇だ。明日もドリブル見てやる」
「明日は絶対抜いてやるからね、四季遥さん！」
おう、楽しみにしてる。
馬鹿にした声でそれを言われた時は、思わずグーパンチしそうになった。
翌日。
「四季さん！今日こそ絶対抜いてやるんだから」
が、0勝73敗。
「おまえのドリブルは読みやすいんだよ。…シュートなら、できるか?止めてやる」
シュート…よし。
駆け出して、足を右に振り上げる。四季さんは、動きを読んだのか、右へ。
まずいっ…
左に軌道を変えて大きく蹴り出す。
「えっ…」
完全に逆を突いた私のシュートは、四季さんの後ろの壁にあたり、ポトリと落ちた。
「嘘…だろ？こいつが…」
四季さんは抜かれたことがショックみたい。ほぼほぼ偶然なんだけど、ね。よく見えた気がして、というか。その旨を伝えると。
「なぜ、途中で軌道を変えることができたんだ？普通なら足を痛める事になる」
四季さんには…できないの？
「俺はできるが…素人に、なぜだ？」
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作者名：ΨΨ | 作成日時：2018年4月16日 18時
