第851話 ページ35
Aside
例の映画の鬼のような撮影スケジュール
しかし、今日は奇跡的に夜はオフなのだ
夜がオフなのを奇跡と感じるなんて…………
「俺にもう人間の感覚はない」
恋「厨二病」
「うっせ」
恋「……あ、この子最近売れてきてるよね」
「え？あぁ…………」
そう言って恋ちゃんが指さした先には、俺と同い年ぐらいの女の子
恋「結構美形だね」
「俺も認めるほどにね」
恋「うっわ…………」
「うっさいなぁ。最近売れてるって言ってもさ、俺、この子よく知らない」
恋「名前すら？」
「うん」
恋「…………最近忙しすぎたもんね。結構話題だよ、この子。紫月蒼(しづき あおい)」
「なんで？」
恋「劇団四季お墨付きの、素晴らしい演技力云々……」
「ふぅーん…………ま、俺の方が上だし」
恋「そりゃそうでしょうけど」
「事務所は？」
恋「今はフリーだって」
「へぇ、珍しい…………。うちの会長、絶対欲しがるだろうね」
恋「現に欲しがってるよ」
「やっぱり？見る目あるもんね」
恋「そうだねー………………」
「ん？どうかした？」
恋「や、別に」
「嘘つけ！」
恋「んー…………まあ、なんていうか…………Aと何か通ずる部分があるなー、と言うか」
「えー……？」
恋「いや、直感というか…………確証なんか全くないし」
「ふぅん…………」
……恋ちゃんの直感は、当たることが多い
紫月蒼、ねぇ……
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作者名：水音 | 作成日時：2019年11月30日 14時
