第837話 ページ21
Aside
いきなり現れた俺に、目を真ん丸くして驚く石井さん
｢こっち！！｣
石井さんの手を掴み、一目散に駆けてゆく
少し走ったところで、素早く横に飛んで隠れる
いきなり消えたから、ハンターは俺たちがどこに行ったか少しの間わからなくなるはずだ
音を立てないように、試着室の鍵を開け中に入る
なんで鍵が開くかって？
さっき、針金を鍵穴に合う形に合わせたからさ☆
ドアノブには｢施錠中｣の札がかかっているし、ハンターには気づかれにくいだろ
う………………多分
｢ふぅ…………｣
石井｢ほんま、ありがとうな。捕まるかと思ったわ…………｣
｢礼には及びませんよ。当然です。それにしても石井さん、よく俺が跳ぶ時についてこれましたね」
石井｢運動神経はええからな。Aが足に力を込めるの、気づいたから｣
｢すごいですねぇ…………｣
石井｢あの…………ひとつ聞いてもええか？｣
｢はい？どうぞ？｣
石井｢A、先輩です……よ、ね？｣
｢何のです？｣
石井｢芸能界の。A、デビューは…………｣
｢08です｣
石井｢俺が11やから……3年も先輩？！え？！いくつでしたっけ？！！？｣
｢16です｣
石井｢何かこう……タメ口きいて、すんませんでした！！！｣
｢え、全然気にしなくていいですよ。人生においては先輩なんですから。…………ですから、お互いタメ語にしません？」
石井｢え、いいんですか？｣
｢そっちの方が気を使わないし……ね？」
石井｢じゃあ…………うん｣
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作者名：水音 | 作成日時：2019年11月30日 14時
