今日:7 hit、昨日:1 hit、合計:5,197 hit
小｜中｜大
第973話 ページ7
Aside
ドアを開け外に出ると、雪に反射した光が俺に差す
白銀の世界ってこういうことを言うのか
柔らかい雪を踏みしめ、歩いていく
真っ白な景色は、一見綺麗に見える。でも、都会の雪はどこか薄汚れていて燻んでいる
純白に見えて、汚れている
さっきまで暖かい室内にいたのに、もう体の芯から冷えてきた
真琴の家は暖かかった。家族も、雰囲気も、何もかも
俺が今まで、手に入れることができなかったもの
立ち止まって振り返るが、乱反射した光のせいで真琴の家は霞んで見えた
見えない隔たり…………とでも言うのだろう
真琴があの家なら、俺はさながら今の雪景色だ
再び歩き出すと、雪を踏みしめる音ががらんどうの俺の中に響いた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 16人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：水音 | 作成日時：2020年8月7日 8時
