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第1012話 ページ46
恋side
可能性が無いとは言い切れなかった
俺は彼を信用していた
でも彼を信じきれなかった理由
それは直感だった
明らかに留学前の結城くんとは雰囲気が違っていたから
過去のをことを乗り越え、強くなった故だろう
そう思っていたが、それだけでは説明が付かないほど彼は変わっていた
そしてその直感は当たっていた
無理やり開いたドアの先には泣き崩れる結城くんとそれを支えるAがいたのだから
無理やりでも2人を引き剥がすべきか、そう思ったがやめておいた
出来事も動機も大方想像がつく
きっと彼にはAが神様のように見えているのだろう。俺だってそうだ
俺だけでは無い。Aを知っている殆どの人達がそう思っているだろう
それぐらい、今目の前のAは神々しく輝いている
「…………恋ちゃん…」
俺に気付いたA
その声に、安堵は交じっていなかった
俺が一歩踏み出すと、結城くんを抱きしめる手に力が入ったのがわかった
きっとAは結城くんを許している
だったら俺はAの意思に従おう
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作者名：水音 | 作成日時：2020年8月7日 8時
