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第1010話 ページ44
Aside
俺の上で泣き崩れるにぃ
俺の頬に落ちてくる涙がにぃの言葉にならない感情を表しているようだった
あのとき、俺には恋ちゃんや大吉先生……頼れる人がいた
でも、にぃには俺しかいなかった
にぃが俺に執着するのは当たり前だ。俺もにぃの立場だったらきっとそうしていたたろう
考えが及ばなかった
少しも気遣いができなかった
俺も悪いんだ
なんと謝罪すればいいのかわからない
それでも、俺の精一杯の気持ち
「………ごめんね」
そう告げるとにぃはさらに顔を歪めた
俺を掴むにぃの力が弱くなった
今ならにぃを置いて逃げられる
わかってはいるが
逃たくない
にぃを1人にできない
大志「………行って」
行けるわけない
こんな状態のにぃを1人にできるわけがない
「…………そばにいる」
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作者名：水音 | 作成日時：2020年8月7日 8時
