今日:5 hit、昨日:1 hit、合計:5,195 hit
小｜中｜大
第1007話 ページ41
大志side
ある日思いの丈をAにぶつけてしまった
なんで僕だけこんな苦境に立たされないといけないんだ
いいよな、なんの苦労もせずに育っていて
これよりもっと酷い罵詈雑言を浴びせていたと思う
僕も本当におかしくなっていた
その頃には父と母の離婚は成立し、僕は叔母のところに身を寄せていた
叔母にも、転校先にも好奇の目で見られていた
それでも仕事は辞められなかった
妬ましくも彼女が唯一の光のようだったから
そんなAに酷い態度をとった
言ってしまった後に気づいた。Aは離れていくだろうって
血の気がどんどん引いていくのがわかった
後悔しても仕切れない。自分を殺したくなるほど呪った
でもAは僕を嫌わなかった
シャツを脱いで癒えきらない傷を見せた
“痛み分けの同士だね”
そう言って小さく笑った
そのとき決めたんだ
僕は一生Aについていこうって
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 16人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：水音 | 作成日時：2020年8月7日 8時
