第1001話 ページ35
Aside
俺が座るベッドに腰掛けるにぃ
もう、夜が明けたころだろうか
にぃは何も喋らず、ずっとスマホを触っている
俺が1人でここから抜け出すのは絶対に無理だろう
俺の心はにぃにすべて掌握されている
俺が抜け出せないことを悟ってるのも、にぃはきっと気付いているはず
だったら、恋ちゃんがどうにかしてくれるのを待つのが賢明か……
大志「…………ねぇ」
スマホをスクロールする指を止め、にぃが話しかけて来る
もちろん、聞こえないフリをするが
大志「Aって芸人たちと仲良いよね」
……何が言いたいんだか
大志「特に男性の芸人たちと。随分と可愛がられているようだけど」
付き合いってもんがあることぐらいにぃだって知っているでしょ
同じ俳優なんだから
大志「特に若手の人たちと仲がいいみたいだね。俺がイギリス行ってる間に知り合ったの？」
「……………」
大志「最近の若手芸人って、顔も良い人多いよね。“天は二物を与える”……ってこのことかぁ……。ああ、俺が言うことじゃないって？笑。だよねぇ……」
流暢にペラペラと喋りだすにぃ
何が言いたい
……………河井さんのこと？
まさか、感づかれてるなんてことはないだろうが
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作者名：水音 | 作成日時：2020年8月7日 8時
