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第990話 ページ24
大志side
年頃の子の心は柔い
それ故に、触れたらすぐに変化していく
だから、もし決行するなら今が最大のチャンスだ
これまで少しずつ、少しずつ時間をかけてここまでやってきた
Aが俺を訪ねる頻度が上がり、さらにはたまに泊まるようにもなった
今、Aの俺への警戒心はゼロ
むしろ、絶大な信頼を置かれてると言っても過言ではない
今日も“お泊まり会”と称してAは俺の家にいる
Aに飲んでもらうのは心苦しいが仕方がない
俺は寝付きが悪いから睡眠薬を処方してもらっている
その量を、ちょっと増やして飲ませればいいだけ
コーヒーに溶かしたら味なんかなくなっちゃう
大志「…………A、コーヒーに砂糖入れる？」
「うん…………って、こんな夜にコーヒー飲んで寝れるかな……」
大志「俺はAと一緒におしゃべりしたいからちょうどいいよ。…………それに、いずれは寝れるよ」
粉々に砕いた錠剤は、どこからどう見ても砂糖だ
隠すことなく、淀みなく。堂々と目の前でコーヒーに溶かし入れていく
「まあ、それもそうだね」
俺は、俺のために
正しいことをしているんだ
完遂したら、幸せな未来が待ってるんだから
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作者名：水音 | 作成日時：2020年8月7日 8時
