第984話 ページ18
Aside
ふと名前を呼ばれ、声の方へ振り向く
そこには、いつもより雰囲気の重い真琴がいた
真琴「………………ハルと、何話してたの？」
口元は笑っている
でも、目が笑っていない
いつもの真琴じゃない
なんなの、これ
周囲が一気に異様な空気に変わる
油断してると飲み込まれそうな
真琴「………………Aはハルをどうしたいの？…………ねえ？」
「………………」
どうしたいって…………
俺はこのままがいい
何も、変わって欲しくない
真琴「“このままがいい”……でしょ？」
不意を突かれて、思わず目を見開く
真琴「図星か…………。…………このままってさ、つまり………………“ハルの気持ちがAに向いていて欲しい”……ってことでしょ」
「え…………」
そんなことない
俺は、ただ…………
真琴「無理だよ。ハルがAのことを意識していない日に戻ることなんてできないんだから」
でも、そうだとしても
俺のことを意識したことなんて一度もないハルがいい
無理なことはわかってる
真琴から突きつけられた現実への哀しみ。それと真琴への怒り
もう、耐えられない
「だったらさ…………」
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作者名：水音 | 作成日時：2020年8月7日 8時
