第1747話 ページ34
賢志郎side
賢志郎「動画撮ってきたで。ほら」
そう言ってAにスマホを渡す
賢志郎「今更やけどさぁ、家、広すぎひん？」
「そう？」
賢志郎「せやって。だって、そもそも中庭を広く取って、回遊式にするって……東京じゃなかなかでけへんことやんか」
「幸い土地があったしね〜。しかも実家……恋ちゃんたちの家から徒歩数分なんてほんとラッキー」
賢志郎「そんな地価激高のところに建てる家の屋上に、プール作るとか……請求額見て目ぇひん剥いたからね、ほんまに」
「まぁまぁ、もう一括で払ったんだし、良いじゃないの」
その支払いも、ほぼAからなんやけどなぁ……
もう何度経験したのかわからない、悔しくも切なくもある気持ちになる
確かに、俺の稼ぎだけでは絶対に地下にシアタールムやトレーニングルームを作ったりとかでけへんしな
「住環境は大事だよ？」
賢志郎「せやけど個室８つもいる？」
「いろんなこと想定したら、多いことに越したことはないよ。現に着工する時は妊娠してなかったのに、もうすぐ3人一気に生まれるんだよ？優璃ちゃんも暮らすし、子供もこの後もどれだけ増えるかわからないじゃない」
賢志郎「まぁ、確かに……」
「荷解きはもちろん、ベビーベットの組み立てとかお願いね？優璃ちゃんと二人……じゃ、大変そうだし蒼とかにもお願いしてみるよ」
賢志郎「とりあえず、まずは二人で頑張ってはみるわ」
自分らのことやから。まずは自分らでなんとかしようとはせな
「それで間に合わなかったら元も子もないんだからね？」
賢志郎「う……はい」
鋭く釘を刺される
Aが……いや、四人が来るまでには絶対に綺麗にせなあかん
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作者名：水音 | 作成日時：2024年1月19日 21時
