第1734話 ページ21
賢志郎side
「まぁ……それはそうだけど。それよりね、あんまり男の子っぽく……とかしないほうがいいんじゃない？男の子だから青、緑、黒……とかさ。昔の私を見てるから知ってるだろうけど、本人に合うもの・好きなものってあるんだから。そこは親が選ばせてあげようよ。そもそも、生まれた性別の通りに生きていくかなんてわからないじゃん？」
Aに核心を突かれ、ハッとする
そうか。今さっきまで考えとったことは、俺の理想やったんやな
子供を一人の立派な人間として尊重する……育児書には大抵そう書いてあった
それはつまり、Aが今言ったこと……
「無意識に親は子に対して理想を押し付けがちだからさ。理想ってほどじゃなくても、“こうあるべき。これが普通だ”って考えを醸し出しちゃったりするからね」
賢志郎「うん……せやね。あー…………まだまだ足りひんな」
「最初からできる人なんていないよ。私も無意識のうちにやっちゃうだろうし。その時は、互いに注意していこうね」
賢志郎「うん、せやね」
俺はAより歳を重ねた分の知識がある。Aは俺より世界を知っている
けれども、親としての正しさはまだ知らない
「とはいえさ、入院する前にベビーグッズは買った方がいいと思うんだよね。で、3人分となると色々混ざっちゃいそうでしょ？だから、子供達が自分で主張できるようになるまでは、上の子から順に赤、青、緑のグッズ……ってどう？」
賢志郎「ええんやない？帰ったら、早速探してみよか」
まだ知らない。だったら、これから一緒に、精一杯探していけばええんや
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作者名：水音 | 作成日時：2024年1月19日 21時
