第1733話 ページ20
賢志郎side
検診を終え、家まで帰る車の中。Aはずっと、エコー写真を見とる
「やっと“明らかに人！”って形になってきたね」
賢志郎「うん、せやね」
マタニティ用に交換したシートベルト
臨月並みに大きくなったお腹
判明した性別
予定やと、3ヶ月以上は先のことや
それなのにもう、生まれるんや……という実感が湧いてくる
「名前、どうしよっか？」
賢志郎「名前？ああ、名前なぁ………それを考えるのもええけど、先にベビー用品とか買わへん？」
「ん？どうして？」
賢志郎「ベビー用品があると、ああ、赤ちゃん生まれるんやな……ってめっちゃ感じられるやん？それに、二人は性別分かったんやし。俺、男の子っぽい子供部屋とか憧れてるんよ」
想像が膨らんでいって仕方がない
昆虫がプリントされた服とかかわええよな。あと、サメとかライオンのも
青を基調にした、サッカーボールとかバットとか色々置いてある部屋もええかも
「性別を聞いた瞬間からずっと考えてたの？」
賢志郎「まぁ……想像はしてまうよね」
そう言うと、盛大なため息をつかれる
俺、呆れられるようなこと言うてしもた？
「はぁ………あのねぇ、もう一人の性別はまだ分かってないんだから。気が早いよ」
賢志郎「そう？せやけど、それを言うたらAだって名前とか……」
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作者名：水音 | 作成日時：2024年1月19日 21時
