第1732話 ページ19
Aside
近江「………うん、順調に育っていますね」
エコー検査をしながらそう告げられる
映像に映る胎児達はずいぶん、人の形になってきた
近江「あ、性別が………手前の二人は分かりましたね。もう一人は奥だから、ちょっと見えないかな……。知りたいですか？」
賢志郎「どうする？」
「生まれてから知るのも楽しそうだけど……色々3人分準備もありますしね。お願いします」
男の子、女の子。どっちなんだろう
どちらかであっても、どちらでもなくても。無事に生まれてくるなら、それだけでいい
近江「左前の子が、男の子です。……そしてこっちの、右奥の子も男の子です。一番奥の子は……やっぱり見えませんね」
賢志郎「男の子………」
「へぇ………」
ほう、と感心したようなため息をついている賢志郎さん
男の子だと自身も男だし、勝手がわかる……とか考えてるのかな
そうか、男の子か
私に男兄弟はいない。でも、溌人を生まれた時から見ていたからなんとなくはわかる
溌人は心優しく、いわゆる男の子がするような戦いごっこは好まない
とは言っても、その子によりけりだろうしなぁ
近江「再来週あたりからそろそろ管理入院を始める方針ですが、どうしましょう？」
「そうですね、私としてはいつからでも大丈夫ですが……。賢志郎さん、再来週で仕事がないタイミングってある？」
賢志郎「……ん？なに？」
「だから、仕事がないタイミング……」
賢志郎「ああ、えーっと………」
ぼーっとしていたのだろうか
検診の時は、いつも私以上に集中していることがほとんどなのに
何か、気に掛かることでもあるのかな……
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作者名：水音 | 作成日時：2024年1月19日 21時
