第1730話 ページ17
Aside
蒼「おめでたいよね、ほんとに」
「ねぇ、めでたいことですよ。産休と育休、合わせて一年半ぐらいは取得するので、その間は蒼に担当してもらうことになりました」
蒼「これで私も叔母さんですよ。早いなぁ……まだ22歳なのに」
「ねぇ、まさかこんなに早いとは当事者も思っていなかったよ。……皆さんの中で勘付いてた方もいらっしゃるんじゃないんですかね？毎週アップされる写真とか、ここ数ヶ月は私、お腹の見えにくい格好だったでしょ？それになんとなーく気分が悪そうだったり……もちろん皆さんに知られないように、普段通りを装っていたんですけどね」
蒼「郁弥とか、意外にも気づかなかったしね」
「やっぱり男性ってピンとこないのかね。……あー、Twitterが荒れてますねぇ。すぐにネットニュースになってる」
郁弥「みんな反応早いね」
蒼「なに呑気なこと言ってるの？それを拾うのが作家の仕事でしょ？」
郁弥「急に刺々しくなるじゃん。はぁ……えーっと、『おめでとう』とか『いつ生まれるの？』とか『男の子？女の子？』とか『体を大事にしてね』……とか来てるよ」
「私本当リスナーに愛されてるね。そんなリスナーに伝えたいのは山々だけど、予定も性別もね〜。プライバシーに関わることだからさ。生まれたら発表するけど、とりあえず今は控えさせていただくね」
そもそもまだ性別わかってないしね、と心の中で呟く
もちろん三つ子であることも言わないつもりだ。世間の関心を集めすぎても、ね
「………と、言うことで来週からは蒼が一人でお送りします。あ、たまにリスナーとしてメール送るかも」
蒼「安静にしてなさい。……ここまでは私、紫月蒼と」
「え、蒼が先に言っちゃう？！…えー、私碧海Aがお送りしました。またいつか〜」
ジングルが流れたのを確認し、カフを下げる
ラジオが終わった後のこの惚けているような、それでいてアドレナリンが出ているのを感じるような感覚とはしばらくお別れだ
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作者名：水音 | 作成日時：2024年1月19日 21時
