第1728話 ページ15
Aside
「蒼、カフ上げ忘れてる」
蒼「え？……あ、すみません！」
「最初の10秒ぐらい、放送乗ってなかったんじゃない？」
蒼「うわーやっちゃった……」
「慣れてないもの。しゃーないしゃーない。………お、どんどんメールが寄せられてますね。滋賀県、ラジオネーム南の鳥さんから。『郁弥くんと蒼さんって面識ありますよね？何年か前、映画で共演してたと思うんですが、会うのは久しぶりなんでしょうか』。……どうなの？」
私はもちろん二人の仲は知っている
だからこそ、敢えて知らないふりをして聞いている
蒼「仲はいいですよ。映画の撮影が終わってからも、Aとかと一緒にご飯行ったりしてますし。二人で行くこともありますよ〜」
そう、それでいい。頑なに、『Aと3人で会っている』と言ったらむしろ疑われかねない
「3人でよく行くカフェがあるんですけど、郁弥はいっっつもピスタチオクリームのケーキ食べるんですよね」
蒼「そう。で、売り切れてると分かりやすく落ち込むの。あとエビフライも好きだから、エビフライも売り切れてた時は……見てられなかったなぁ」
そう言ってわざとらしく二人で笑うと、ムッとした表情をする郁弥
郁弥「そう言う蒼だって、この前カキフライが無かった時すごい落ち込んでたよね」
蒼「あれは、久々……半年ぶりぐらい？に食べるカキフライだったから楽しみにしてたの！」
「いいな、カキフライかぁ。しばらく食べてないかも」
ここでほんの少し匂わすような発言をする
蒼「あぁ、当たったら怖いしねぇ」
「それで仕事とか色々迷惑かけちゃうのもね。だから豚肉とかもあんまり食べないかも」
蒼「火が通ってても？」
「うん、念の為ね」
仕事“とか”の発言に勘づく人はどれぐらいいるのだろうか
ああ、驚いたリスナーのメールが楽しみだなぁ
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作者名：水音 | 作成日時：2024年1月19日 21時
