第1726話 ページ13
Aside
ディレクターのキューを確認し、音楽に乗せて喋り始める
この瞬間も、あと一年は体験できなくなってしまう
「皆さん、明けましておめでとうございます。いやぁ……普通ね、新年一発目の放送って、他の番組では特番やってるじゃないですか。大物の俳優さんとか、去年賞取った芸人さんとか。レギュラーが担当することってなかなかないじゃないですか。………なのに、ねぇ……なんで私は新年から働いてるかなぁ。まぁね、とあるお知らせ、そしてゲストが来ているので通常会とは違う………かな？勿体付けるのもアレなので、ゲストの方に早速来ていただきましょうか」
そう言うと、ブースのドアが開き蒼が入ってくる。そして、私の斜め前……つまり郁弥の隣に座った
蒼「こんばんは〜。皆さん声だけでわかるかな？紫月蒼です。そうです、Aの妹です」
緊張している様子はない。郁弥との雰囲気に、違和感もない
「そうです、妹が来てくれましたよ」
蒼「みんな私たちが姉妹って認識あるのかな？だってさ、姉妹であることを発表したとき、結婚も発表したじゃない？衝撃薄れてない？」
「多少はそうだろうね。あの時は郁弥も騙したかったからさ、“重大発表をする雰囲気”がスタッフに流れてるのをバレないようにするための……」
蒼「カモフラージュだったわけね、私のことは」
「そうそう。その証拠に、次の週のメールは結婚に関する質問ばっかだったからね」
郁弥「蒼に関するメールは数枚しか無かったような……」
蒼「みんなひどくない？！」
ブースの空気が温まってきたのを感じる
多分このまま、うまくいくだろう
「そう言うわけで、今日のメールテーマは蒼に関することはなんでも！質問でも感想でも、どっちでもいいよ〜。メールアドレスはaoumi@allnightnippon.com…………」
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作者名：水音 | 作成日時：2024年1月19日 21時
