第1725話 ページ12
Aside
寝返りを打ちそうになり、慌てて目を覚ます
危ない。お腹に負担のかかる姿勢は取っちゃいけないんだから
放送局の仮眠室。すぐ隣には、私と同じ眠そうな顔をした蒼……そして郁弥がいる
郁弥「本当に今日発表、でいいんだね？」
「うん。ていうか、これ以上引き伸ばせないと思うよ。誰かに気づかれて勝手に言いふらされても困るしね。安定期も入ったし、もう大丈夫だよ」
眠い目を擦りながらそう郁弥に答える
年が明けて一発目の放送
新年を記念して、実妹である蒼をゲストに………装いつつ、最後に妊娠、そしてしばらく休業の発表
蒼には私が休んでいる間にラジオを代わってもらう予定だ
私も復帰したらラジオは続けていきたいしね
郁弥「じゃあ、そろそろ始まるし行こうか」
蒼「う……ん」
まだ少し眠そうな蒼。眠気を取るためなのだろうか、眉間を指で広げている
「やっぱ、人って目と目の距離が空いてるとアホっぽく見えるよね」
郁弥「ね。ほんとそう思う」
蒼「ちょっと、聞こえてるからね」
そう言いながら郁弥の肩をたたく蒼
これは……普通の友人の距離感なのか？
蒼にラジオを任せる上での懸念点
そう、それは放送作家である郁弥とパーソナリティである蒼の仲に疑問を持たれてしまうのではないか、と言うことだ
二人ともプロだし、もちろんそんな公私混同はしないだろう
ただ、ふとした瞬間の雰囲気とか………二人の間の沈黙明けの喋りだし、とか……
ま、起こってもいないことをあれこれ気にしても仕方ない
そうなったら、そうなった時でどうにかすればいいや。私、関係ないしね
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作者名：水音 | 作成日時：2024年1月19日 21時
