第1724話 ページ11
Aside
如何にして旦那を育児に積極的にさせるか、という話に花が咲いて数十分
二人の経験談や周りの人の話を聞く限り、最初は思うように動いてくれないらしい
まぁ確かに、「言わなくても親なんだから何をすればいいかぐらいわかるでしょ？」って思っちゃうんだろうなぁ
こたつの上に置かれたみかんに手を伸ばすと。お義父さんが徐に新聞を置いた
父「性別、わかっとるん？」
「いえ、まだ……3人もいるので互いが影になっって、上手く見えないんですよ」
父「……そうか。どんな子でも、君なら上手に育てられるよ」
「あ、ありがとうございます」
お義父さんからの思いがけない言葉に胸が熱くなる
賢志郎「“君なら”って………俺は？」
父「お前は、甘やかしてしまうだろう。“Aが叱ってる分、俺は甘やかす役目や”とか言うて」
えり「あ、絶対しそう」
母「叱るのも甘やかすのも、分担せずに二人でやった方がええよ」
賢志郎「う………かわええ自分の子、叱れるか………？」
えり「ほら、まだ覚悟やりてないやん」
賢志郎「そんなんちゃうし」
母「今のうちから意識できとるなら、大丈夫やで。………ねぇ、子供産まれたら家事とかどうする予定なん？ただでさえ一人ずつ育てても大変やたけど……」
「この前からお手伝いさんが来るようになったんですよ。今は週に四日とかなんですけど、家が完成してそっちに住むようになったら住み込みでお願いする予定なんです」
えり「人に任せられる家事は任せたほうがええな。子供らの親は二人にしかできないんやから」
「はい。だから、出産してから一年は仕事もお休みしようかな、と」
賢志郎「俺も遠方に行ったり、泊まりの仕事はできるだけ無いようにする予定やで」
えり「3人も一気に育てるんやから。当たり前やよ」
賢志郎「なんか今日俺に厳しない……？」
いつの間にか緊張はほぐれていた
こんなにも穏やかにゆっくりと年末を過ごせるのは初めてなんじゃないかな
賢志郎さんと夫婦二人で過ごせる時間はあと半年もない
今だけの貴重な時間、心から満喫しないと
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作者名：水音 | 作成日時：2024年1月19日 21時
