第1685話 ページ23
Aside
「もしもし？」
恋『あ、今いい？』
「うん、全然大丈夫」
心なしか恋ちゃんの声が暗い気がする
気のせいかな。電話の声って合成音声だっていうし
恋『今から事務所来れる？』
「事務所？うん、行けるけど………何かあった？」
事務所にわざわざ出向く必要がある、ということはまあまあ大事な用事があるということだ
恋ちゃんの声が暗いのも、気のせいではなかったのだろう
恋『来てから話すよ。………あ、できれば川西さんも一緒に来て欲しいんだけど』
「えっ？」
私の事務所に賢志郎さんが出向く必要がある？
となると、十中八九仕事のことではないのかな
「恋ちゃんが事務所に来てって言ってるんだけど、賢志郎さんもできれば来てほしいって」
賢志郎「俺？全然問題ないけど………俺？」
「うん、何故か。………あ、恋ちゃん、賢志郎さん来れるって。あとー………」
賢志郎「15分ぐらいで着くと思うで」
「15分で着くから」
恋『全部聞こえてるって笑。わかった、じゃあ着いたら会長室まで来てね』
「うん、わかった」
電話を切ると、不思議そうな顔をした賢志郎さんと目が合う
賢志郎「何で俺なんやろうな？」
「仕事………ではないだろうね」
賢志郎「まさか、“うちのエースのAを妊娠させよって！”とか………」
「それはないよ笑。恋ちゃんにも、事務所の人にはまだ伝えないように言ってあるし」
賢志郎「そうか。じゃあ、何やろなぁ」
何だろうねぇ、と2人して首を傾げる
何となく、何となくだが嫌な予感がする
嫌だなぁ、私のこういう勘って結構当たるんだよなぁ………
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作者名：水音 | 作成日時：2023年10月14日 19時
