第1684話 ページ22
Aside
賢志郎「いやぁー………やらなあかんこといっぱいあるなぁ」
「そうだね。調べてたからある程度は知ってたけど……具体的に聞くと、想像以上だね」
帰路の途中、賢志郎さんの運転する車の中
あの後受けた妊婦指導ではかなりの量の説明を受けた
公的な手続きから、日常生活まで全て
それらが載っている冊子の厚さたるや……
賢志郎「母子手帳、俺が取りに行ったほうがええ？」
「うーん……私も行きたいけど、そうだねぇ…。体調や周囲にバレるリスクを考えたら、賢志郎さんに任せようかな」
賢志郎「Aよりはまだ、俺の方が気づかれへんからな」
「まだ、ね。まだ。賢志郎さんもバレないように気をつけてね」
賢志郎「せやな。………なぁ、坂田さんにはもう伝えたんやろ？」
「うん。逆に言えば恋ちゃんのみ」
賢志郎「そっか。他の人にはどうする？誰に、いつ伝える？」
そうだ、それが大事なのだ
順番で言ったら親族、友人、関係者………がいいだろう
ただ、いつ言うのか
「三つ子だと普通よりも身体的なリスクあるしね。妊娠したことを伝えて、もし万が一残念な結果になったら………それも伝えなくちゃならないからね」
賢志郎「あんまり考えたくはないけど、残念な結果になったことも伝えられる人………ってことやな。そうすると俺やと親とえりちゃんと………少し空けてから水田くんとマネージャー………やな。Aは？」
「蒼と彩さんと大吉先生………。親族らしい親族は他にいないからね。ももとか、ハルたちには安定期入ってからかなぁ………。いや、三つ子だと安定期入る前にもう体型で分かっちゃうのか。そもそも、それより前に私の体調が急変したら誰かに伝わる可能性もあるし………」
私に妊娠報告をしてくれた人たちを思い出してみるが、ほとんどは安定期に入ってからだったような気がする
うーん、どうしたものか………
賢志郎「A、スマホ鳴ってんで」
「ん？あ、ほんとだ」
スマホを見ると恋ちゃん、と表示されている
何か用だろうか
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作者名：水音 | 作成日時：2023年10月14日 19時
