第1683話 ページ21
Aside
矢継ぎ早に質問をしていく賢志郎さん
私の体のことや色々、質問が途切れないようだ
妊娠について知識がないとできないような質問までしている
きっと、報告してからたくさんのことを調べてくれたのだろう
そっとお腹に手を添えるが、もちろん胎動は感じられない
この中に三人も………
近江「………それでは、この後は妊婦指導がありますので別室で待機してください」
賢志郎「わかりました」
「あ……はい、わかりました」
診察室に入ったときより、なぜか頼もしく見える賢志郎さん
何故だろう。本格的に父性というものが目覚めたのだろうか
賢志郎「体、大丈夫？」
「うん、今は何ともないよ」
賢志郎「寒かったり……逆に暑かったりせぇへん？」
「ないって笑。もう、気を回しすぎ」
賢志郎「そらこうなるやろ。奥さん妊娠してるんやから」
賢志郎さんにとっては何の気もない、当たり前に発せられた言葉なのだろう
でも何故か、私にはその言葉が響いた
そっか。私は賢志郎さんの奥さんであることが当たり前で。そして奥さんを最大限大事にすることは何の不思議もないことで
賢志郎「すごい嬉しそうなしとるね」
「んー……私、相当愛されてるな、って」
賢志郎「今更やん、そんなの」
「うん、そうだね」
賢志郎さんが私を愛してくれている、同じ温度で私は賢志郎さんを愛しているかな
そしてこれから、この子たちを愛せるかな
1人だと不安だ。でも、賢志郎さんがいるから
賢志郎さんがいるなら、この子たちにとびきりの愛を与えられるだろうな
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：水音 | 作成日時：2023年10月14日 19時
