第1665話 ページ3
Aside
玄関のチャイムの音で目が覚める
ああ、仕事から帰ってきて、そのままソファーで寝ちゃったのか
今日は早めに帰れたから、夕飯作ったり溜まってる家事をしたりしようと思ってたんだけどな
何となく怠い体を起こし、玄関に向かおうとする
廊下に続くドアを開けようとすると、反対側からやって来た賢志郎さんとぶつかりそうになった
「あ……帰ってたの」
賢志郎「うん。ぐっすり眠っとったし、起こさんかったけど。よかった？」
「それでよかったよ。ありがとう。………あー……洗濯物とか、全部やってくれたんだ。ごめんね、私の方が先に帰ってたのに」
賢志郎「そんなん気にせんでええって。夕飯、中華のデリバリーやけど食べる？福々軒の麻婆豆腐好きやったやんな？」
そう言ってビニール袋から料理の器を取り出していく
そうか、さっきのインターフォンはそれだったのか
……え、まって。もう夕飯時なの？
私が帰って来たの、14時とかだったよね？
うわ、5時間も寝ちゃった……
賢志郎「聞いとる？」
「え？あ、ごめん。何だっけ？」
賢志郎「麻婆豆腐。食べるやろ？」
「んー………食欲あんまりないんだよね。折角だけど、半分でいいかな」
そう言うと、心配そうな顔をして私のことを見る賢志郎さん
見られすぎて穴が開きそうだ
「最近仕事立て込んでたしさ、疲れてるだけだよ。それにもう台風の季節だし。気圧の影響もあるだけ」
賢志郎「確かに、何となく顔色悪いもんな。食べられるだけ食べたら、早く寝た方がええよ」
「うん、そうする。ありがとね」
あくびを噛み殺しながらそう答えて、食器を運ぶ
体が重い。賢志郎さんの言うとおり、今日は早めに寝てしまおう
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作者名：水音 | 作成日時：2023年10月14日 19時
