第1679話 ページ17
賢志郎side
一人分のスペースがしっかり確保された、ゆとりのある座りごごちのいい椅子
家電量販店では見ないサイズの大画面のテレビと、見るからに高そうな音響設備
賢志郎「…………なぁ、ここほんまに病院なん？」
「？？病院に決まってるでしょ？」
賢志郎「俺が知ってる病院の待合室とちゃうねんけど」
「そりゃあね、ここはいわゆるVIPエリアだから。芸能人とか国とか大きい企業のお偉いさんとかしか来ないから。賢志郎さんも私の配偶者だし、利用できるからね」
賢志郎「いやあ、俺は………なんか落ち着かんし、ええわ」
「いや、利用しなきゃダメだから。普通の病院に入っていくところを道徳心のない週刊誌どもに撮られたら、私にも色々困ることが起こるんだから。ね？」
さすがAというか、なんというか
Aのため、と言ったら俺が動くのを分かって言ってるんやろうな
「あ、呼ばれたみたい。行こう」
名前で呼ばれるのではなく、診察番号で呼び出される
ほんまに徹底してるんやなぁ
ふかふかの椅子から腰を上げ、Aの後に続いて綺麗な廊下を歩く
すれ違うスタッフさんは会釈すらしない
あくまでもこの病院に来ていることは知らないことになっています、と言うことなんやろうか
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作者名：水音 | 作成日時：2023年10月14日 19時
