第1677話 ページ15
Aside
とか考えてる間に何ですぐ赤信号に引っかかっちゃうかな
心の準備、出来上がっていないのに
恋「A？」
やや長めの沈黙が不思議に感じられたのか、再度問いかけてくる恋ちゃん
「あー………検査してさ、その結果が出たんだけど」
恋「うん」
「妊娠してたみたい」
途端に恋ちゃんの呼吸音すら聞こえなくなったような気がした
聞こえるのはエンジンの重低音と、やや早まった私の鼓動ぐらいだ
10秒？いや、それ以上には長い。長すぎる沈黙
私にとって、長すぎるだけなのかもしれない
「恋ちゃん？聞こえてたよね？その…………えっ」
何も発さない恋ちゃんを不思議に思い前方へ身を乗り出すと、ルームミラーには静かに涙を流す恋ちゃんが写っていた
いつの間にか信号は青になっていたのだろう
後続車両からクラクションを鳴らされる
クラクションの大きめの音にビックリすることもなく、ただただ泣きながら車を発進させる恋ちゃん
恋「A、身を乗り出しちゃダメ。もう1人の体じゃないんだから」
「あ……うん。………いや、第一声それ？」
恋「大事なことでしょ。……そっか、妊娠かぁ…………。おめでとう」
「うん、ありがとう。……ねぇ、そんなに泣いて運転大丈夫？前見えてる？」
恋「今のを聞いてさらに責任感が増したから。絶対に事故とかないようにするから」
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作者名：水音 | 作成日時：2023年10月14日 19時
