第1408話 ページ44
遙side
タクシーを降り、さっきのようにAに肩を貸すようにして歩く
が、うまくいかない
タクシーに乗った途端また寝てしまったので、まだ足元がふらついているからだろう
遙「A、歩けるか？」
「んー…………むりぃ……」
寝ぼけた声を出しながら俺につかまるA
辺りを見回すがマスコミらしき車はない
背中をガッツリ支え、反対の腕で膝の裏を抱え上げる
いわゆるお姫様抱っこの状態だ
暗くてよく見えないが、Aはまた夢の中に行ってしまったような顔をしている
これだけ飲むなんて、珍しいこともあるもんだな
Aを抱っこしたまま家に入り、部屋へと向かう
蒼は坂田さんの家で看病に当たっているため、家は随分としんとしている
そもそも蒼の連絡にも困ったものだ
“Aがやばいの！今から言うお店に行って！”
やばい、なんて言うものだから完全に危機感を煽られた。怪我でもしたか、事件に巻き込まれたりしたのかと思った
それがただ酔っ払っただけなんてな
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作者名：水音 | 作成日時：2022年4月17日 13時
