第1391話 ページ27
Aside
「郁弥、できるの？メールとか選んだり、キューシート書いたりとか」
郁弥「それは今から学んでいくから。一応毎週聴いてたしね。ハガキ職人で、誰がどう言う系統のメールを送ってくるかぐらいはなんとなく分かるよ」
驚きで喉の筋肉が縮まり、俺はうわずった声しか出せないと言うのに
なんでこいつはこうも冷静なんだ
作家「メールがね、すごい届いてます。えー、『郁弥って元ドルフィネスの桐嶋郁弥ですか？！』」
郁弥「はい、そうです」
作家「『アイドル辞めたと思ったら、なんで作家の道に？！』」
郁弥「業界いたら、こっち方面に興味が出てきて……」
俺の目の前で淀みなくすらすら喋る2人
驚きがまだ静まらないので、なかなか会話に参加できない
作家「『紫月蒼さんとの主演映画、“珈琲と君と”は大好きで何度も見てます。ほんっとうに大好きです！』」
蒼の名前が出て思わず郁弥に目線を向ける
郁弥「僕の出演作品はあれっきりですけど、あんなに思い出深い作品はないです。ありがとうね」
郁弥はたじろぎもせずサラッと答える
危ない、もしこの番組が動画配信してたら俺の反応で蒼との関係を疑われたかもしれない
少し安堵してる間にも郁弥へのメールはどんどん届く
そしてそれに全部答えていく郁弥
あ、もう今日は碧海Aのオールナイトニッポンじゃない。桐嶋郁弥のオールナイトニッポンだ
もう俺は相槌打つだけでいいや
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作者名：水音 | 作成日時：2022年4月17日 13時
