第1385話 ページ21
遙side
蒼「ハル、今日は遅くまでありがとね」
靴を履いていると、静かな声で蒼が話しかけてきた
遙「………まだ」
蒼「え？」
遙「まだだ。まだ、解決していない。…………蒼もそう思うだろ？」
最後のAの俺への縋る様子が目に焼き付いて離れない
今のAには、頼れる何か………いや、依存する何かが欲しいのだろう
蒼「うん………。ごめんね、ハルばっかりに頼って」
遙「別に。Aのためなら、俺は……」
言いかけて口をつぐむ
続く言葉を蒼に聞かせてもいいか迷ったからだ
蒼「ハルにはハルの選択肢があるんだよ。Aばっかりを見なくてもいい」
言わなくても、蒼には伝わっていたようだ
そして、それを受けた蒼のこの言葉は紛れもなく本心で
遙「俺がやりたくてやってることだ。気にするな」
蒼「でも！………でも、Aはハルのこと………」
続く言葉は“利用してる”か、“好きになることはないと思うよ”か
どっちだって構わない
遙「Aが元気になるなら、それでいいだろ」
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作者名：水音 | 作成日時：2022年4月17日 13時
