第1367話 ページ3
郁弥side
公園のベンチに座り、電話をかける
機会的な呼び出し音が何度か響いた後、電話がつながった
郁弥「もしもし、旭？」
旭『おう、郁弥か。珍しいな、お前からかけてくるなんて』
郁弥「そうだっけ？それよりさ、旭は最近Aと会った？」
旭「それよりって、お前………。いや、会ってないな。なんならこっち戻ってきてから一度も。俺の内定決まった時に、連絡したぐらいだぜ？」
郁弥「Aその時、何か言ってた？」
旭「何だったかなぁ………あ、俺が入社したの出版社だろ？だから、Aもそこには知り合い多いらしくて。“雑誌編集部の◯◯さんは面倒見いいよー”とか。それぐらいだけど。………何かあったのか？」
鈍い旭でも、流石に何かに勘づいたのだろうか
郁弥「いや、蒼とのことでちょっとね」
ここで下手に旭に心配をかけても、事態が良くなるとは思えない
それに学部が同じで、Aと接触する回数が多かった旭でさえこの返答だ。真琴や結愛たちに聞いても変わらないだろう
旭「そうか？まあ、アイツも相変わらず忙しいみたいだしな。……悪ぃ、この後すぐ会議なんだ。もう切ってもいいか？」
郁弥「あ……うん、突然ごめんね」
旭「お前が謝るとか、こえーよ。じゃ、またな」
そう言うと、旭は電話を切ってしまった
当てが外れた……訳では、まだない
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作者名：水音 | 作成日時：2022年4月17日 13時
