DOLL【S.W】 (ページ44)

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『なんで翔太ついてきたの？』

「当たり前じゃん…目黒もクラスにいるんだろ」

めめにクラスを教えてもらった

めめも同じクラスらしいと言ったら

俺もついていくと言って聞かなかった

１年３組を覗くとそこには優里ちゃんの姿が

そこにいた男子生徒に呼んでもらい

話ができることになったんだけど…

『ごめんね…急に呼び出して』

「いや…大丈夫です」

『あの…時間もないし唐突に聞くんだけど

何でじゅったんと別れたの？』

「多分…樹くん他に好きな人がいるから」

『えっ…そんなことないよ…

だってじゅったん』

「先輩だって気づいてますよね」

そう言われて言葉が出せなかったのは

私自身ももしかしてなんて思ったことがあったからで

ズルイわたしは話する前に翔太が

席を外してくれていてよかったなんて思った

「樹くんはA先輩のこと好きなんですよ

先輩ズルイですよね…

翔太先輩と付き合ってるくせに

樹くんのことも独占して

みんな言ってますよズルイって」

『そうなんだ…たしかに

そんな風に言われてもしょうがないと思う

でもじゅったんに確認したわけでもないのに

勝手にペラペラ話さないで』

「否定しないんですね

樹くんが自分のこと好きだってこと」

『否定した方が良かった？

じゅったんはわたしのことよりあなたのことが

好きに決まってるって言えば気が済んだ？』

そう言えば悔しそうに唇を噛んでいた

あー完全に失敗した

『ちゃんと話し合いなよ

じゅったん別れてから寂しそうなの

話だけでもいいからちゃんと向き合った方がいいよ』

そう言って彼女の側から離れた

翔太に会わす顔ないな…

なんて流れる涙には気づかないフリをした

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