DOLL【S.W】 (ページ4)

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『翔太！なんか元気ない？』

あのあと２人でカフェに入ったけど

翔太は浮かない顔

『じゅったんがいないからって

そんなに寂しいの？』

せっかく２人なのに

翔太がつまらなさそうで

わたしもつまらないじゃん

「そんなわけないわ」

なんて笑ってはいるけど

どこか寂しそうで

『話なら何でも聞くよ』

とか言って恋愛相談とかだったらマジで病むけど

「樹のこと好きなの？」

『は？』

「だから好きなのかって？

よく２人で仲良くしてんじゃん」

『好きじゃないよ…』

１番その勘違いだけはされたくなかった

確かに翔太の相談でじゅったんには

話を聞いてもらったりしてたけど

「好きな人とかいるの？」

ここでいるって言ったら誰って聞かれるよね

『いないよ…翔太も知ってるでしょ』

わたしの周りには男は翔太とじゅったんしかいない

『わたしって我儘だし面倒くさいじゃん

ヤキモチとか友達にさえ妬いちゃうから

なんか思ってたのと違ったとか

付き合ってもないのに言われるから

付き合う前に無理ってなるんだよね

彼氏なんかできないよ』

よく言われるのは

２人のどっちかと付き合ってるの？

付き合ってないなら遊んだりやめてとか

スカート短すぎない？とか言われる

『自分で言うのも何だけど

外見だけしか魅力ないと思うし』

「ふっは普通そんなの自分で言わない」

なんて笑う翔太全く励ましてくれないじゃん

翔太だって私のことそう思ってるのか

「Aだって人間なんだから

好きなように生きたらいいじゃん

誰かに命令されてそうしなきゃ

いけない理由なんてないよ」

こうやってたまに優しいから好きなんだよ

『でも彼氏ほしいんだもん』

「好きな人もいないくせに」

目の前にいるって言ったら翔太どんな顔するんだろう

『翔太は好きな人いるの？』

「いるよ」

なんてまっすぐ見つめて答えた

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