# ページ35
スコールが収まるまで、壁にもたれて
倉庫の外の雨を眺めていた。
SE「あのさ、前に言ってたよね。俺の目、優しく見える？」
『言ってたね。』
Aは静かに喋り出した。
『地上では大人の顔色ばかり見ていたせいで、目を見れば自分に害があるかどうか見分けられるんだよね。…あの頃は、敵意は無いけど家族のみんな、私をどういう人間か品定めしていたんだと思う。』
そう話すAは、自嘲ぎみに笑っていた。
…兄さん達は間違ってない。それがここで生きていくための術なのだから。
『でもね、セフンは初めて会った時から違ったよ。信頼してもいいかなって思った。』
俺だってここで生きてきてAが想像もつかないくらい汚れて生きてきた。
…それをこんな風に言ってくれるAに俺の今まで背負ってきたものが溶けていく気がした。
SE「俺だって信頼出来ないかもしれませんよ？」
『何、急に(笑)』
隣にいるAに触れたい。
SE「ちょっと寒いです。
少しだけ。」
Aの傍に寄って、俺の上着に２人肩を寄せ合った。
SE「Aは強いよ。ここでちゃんと生きてる。」
触れる肩に心臓の音が伝わらないで。
『…私ね、地上では息をしてるだけの人形だった。
ディオに助けられて、人間になれたんだよ。』
ここでもディオ兄さんのことばっかり。
『てか寒いなら返すよ！』
SE「いや、もう大丈夫。ちゃんと着てて。
…ほら。雨上がったよ。」
まあいいか。太陽を隣で見守るだけでも。
『意地っ張り！！』
SE「お子様ですね〜。さ、帰りましょ。」
服が濡れて張り付いてるから
俺が信頼できる男の内はちゃんと上着着てなよ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 163人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
でおらいと。(プロフ) - ぱらちゃんさん» ぱらちゃんさん、はじめまして♪コメントありがとうございます！この世界観、読んで下さる人付いて来れるかな〜、、とめちゃくちゃ心配だったもので笑 ぱらちゃんさんのコメで熱が伝わりました！笑 お陰でやる気がもっと出てきましたので、楽しみに待っていてください♪ (2018年2月2日 14時) (
レス) id: b33c4c399c (このIDを非表示/違反報告)
ぱらちゃん(プロフ) - なんと言ったらいいのかわからないんですが、とにかく大好きな作品です！次回の更新とっっても楽しみです。長々と失礼しました！笑 (2018年2月2日 3時) (レス) id: 6e60babd81 (このIDを非表示/違反報告)
ぱらちゃん(プロフ) - はじめまして。本当に面白すぎます。今まで読んだことない設定で斬新でめちゃくちゃワクワクドキドキします。1ページ1ページ緊張します！でおらいとさんみたいな語彙力がないので興奮を上手く伝えることが出来ず、もどかしいです笑 (2018年2月2日 3時) (レス) id: 6e60babd81 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：でおらいと。 | 作成日時：2018年1月11日 12時
