２８☆ ページ28
『たまに飯食ったりどっか出かけたりしよう。その上で返事は考えてくれたらいいから。』
今までみたいになんとなくじゃなくて完璧に好きになってもらって付き合いたいと櫻井くんは言って。
どこかに出かけたりするのは、仕事仲間という顔だけじゃなくお互いの色々な顔を知りたいという事からの提案だった。
正直、櫻井くんをそういう対象の男性としてみた事もないし、そもそもあんなハイスペック男子が私みたいな何の取り柄もない女を好きになってくれるなんて思ってもみなかった事で。
良家のお嬢様とか…
バリバリのキャリアウーマンとか…
彼の隣に立つのはそういう女性だとばっかり思ってた。
だから、予想外、想定外過ぎて…。
元々がお利口じゃない私は考え過ぎて頭がパンクしそうで…
こういう時はやっぱり潤のケーキが食べたい。
一緒に寝たあの日以来会ってないけど、新作のデザインをLINEしてきたり…
潤は何も変わらないから、やっぱり酔っ払ってただけで、潤は覚えてないんだと…。
それならば私も知らない事にすればいい事で。
事故と言うか、潤が酔っぱらって甘えてきただけの事なんだろう。
アポ無しでお店に向かい裏口から厨房を覗くと、潤の助手だという女の子と目が合って。
「こんにちは。あの…潤は？」
「松本くんは今、お店で接客中ですが。」
「あぁ…そうですか…。ありがとうございます。」
それなら部屋で待たせてもらおうと、それを潤に告げるべく店に回ってそれを告げようとドアノブに手をかけた。
「あの。」
「はい？」
女の子に呼び止められて振り返る。
「松本くんの幼馴染…なんですよね？」
「はい。」
「もういい加減、彼を解放してあげてください。いつまでも都合のいいように甘えられて可哀想です。」
私は潤に甘えたつもりはなかったのに、他人にはそう見えてた事にショックで。
でも、自分がいっぱいいっぱいになると潤のケーキに頼って現実逃避するって事はそういう事なんだろうって今更ながらに理解して。
呆然とする私に、
「彼には私がついてるし大丈夫です。私なら公私とも支えてあげられる。」
彼女は睨む様に私を見据えてそう言った。
「『公私とも』…？」
「そうです。彼とは高校からの付き合いで…お互い全部がハジメテ同士で。歳も歳だしそろそろちゃんとしようって話してたんです。」
勝ち誇った様な薄ら笑いを浮かべた彼女に何も言えずその場を後にした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1412人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
とも(プロフ) - やったネ潤くん(*^^*)途中櫻井くんが出てきちゃった時にはちょー焦ったｗｗｗ一途な潤くんの悲しむ所は見たくないって念じながら拝読しましたｗｗｗ良かった！！幼馴染想いのかずくんもステキでした♪ (2018年11月4日 16時) (
レス) id: a1c0ba5bbc (このIDを非表示/違反報告)
なるちゃん(プロフ) - すごくおもしろかったー！キュンキュンきた〜〜！ (2018年6月25日 9時) (レス) id: a1fe1fb9b8 (このIDを非表示/違反報告)
大宮譲(プロフ) - 読ませて頂きました！Ｊにｷｭﾝｷｭﾝしちゃいました(///ω///)♪ニノちゃんのお姉ちゃんとJ想いな部分にもキャーってなりました(///ω///)♪最高！楽しかったです！ありがとうございました！ (2018年4月18日 11時) (レス) id: bae0b2e4bb (このIDを非表示/違反報告)
嵐love(プロフ) - 読みました。短いストーリーだったけど主人公ちゃんに激甘の潤君が凄く出てきてキュンキュンしました。(///ω///)♪私的には、少し櫻井君が可哀想だけど潤君と結ばれて良かったです。姉貴想いのニノも好きです。読んだからケーキが食べたくなりました。f(^_^) (2016年3月16日 9時) (レス) id: 124a98dc04 (このIDを非表示/違反報告)
しおなな(プロフ) - さやさん» きっと彼はニヒルじゃなくてそれこそ天使の笑顔でいる事でしょうね。幸せで羨ましい(笑)そしていつも嬉しいお言葉ありがとうございました。また次作でもコメ欄に遊びに来て頂けると嬉しいです。 (2016年3月10日 18時) (レス) id: 5482a94483 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しおなな
| 作成日時：2016年1月17日 20時
