毒舌度552% ページ35
――…
発射までのカウントダウンが始まった。皆は麓から離れ、ロケットの中には僕とカルマの二人だけ。
カウントダウンの間の束の間のおしゃべり。
「……なんか……こうゆう緊張、前にもしたよね」
「あー……あの時はAもいた、三人でね。……でも、俺の渚もあの頃と少し変わったかもね」
「……Aさんは?」
「あいつは良い意味でも悪い意味でもレベルアップしてる」
「そっか。寂しい?」
「……案外平気」
「強がりだなぁ」
「言うようになったじゃん」
【メインエンジン点火!】
そんなアナウンスがしたと思ったら、ロケットが……動いた……!!
ビリビリと来る圧力を実感していると、
「ニュやッ!! 流石に速い!!」
外側から聞き覚えのある声が……。
「……何で着いて来てんだよ殺せんせー!!!」
「いやぁ……つい心配になりまして……。それとお二人にAさんからの伝言があったんです!!!」
「まず渚君!!……前半はほとんどラブレターに近い内容なので端折ります!!『――とにかく無事に帰って来てね! 待ってるよ!!』……です!!」
「次にカルマ君!! 君には……『――頑張れ?』……と……」
「……了解。後で本気で殺るって伝えといて」
「カルマ君、落ち着いて下さい! 続きがあります!!『――あんまり危ない事しないでね』……と!!」
エンジン音に消されぬ様必死に叫ぶ殺せんせー。……Aさんって、ホント素直じゃないな……。
「そしてここからは先生からです!! 先生のデータを手に入れる事にこだわりすぎない様に!! それよりも、折角の宇宙の旅を楽しんで来て下さい!!」
「「……。」」
「殺せんせー。これだけは行っておきたいんだ。
自分の命をとことん利用して、僕等に学習の機会をくれる……それは本当にありがたいけど、僕等にとって殺せんせーの命は……教材だけで終わるほど軽くはないよ」
「……えぇ。わかってます、嬉しいですよ」
「あ、そうだ。殺せんせー!! Aに言っといて。浮気してたらただじゃ済まさないって」
「分かりました!!先程のも含め、伝えておき――ニュやッ!?」
途中で殺せんせーの声が途絶えた。多分、振り払われたんだろう。
……宇宙に行くのに必要なロケットの速度は秒速7,6km。マッハ23。
この日、僕等は初めて……殺せんせーのスピードを上回った。
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葵(プロフ) - れぃ(わー抹茶)さん» 返信遅くなってすみません!!ありがとうございます!!そう言って貰えて嬉しいです!!更新相変わらずマイペースですが頑張らせて頂きます。 (2018年12月11日 18時) (レス) id: eeb8e01c6f (このIDを非表示/違反報告)
れぃ(わー抹茶)(プロフ) - 1話から全部見ました(・ω・)ヨダレとにやけのパラダイスですありがとうございます更新頑張って下さい() (2018年11月13日 6時) (レス) id: 657b3d0cf7 (このIDを非表示/違反報告)
シエンタ - あ…鼻血が…反則だろ…うぅ… (2016年10月16日 4時) (レス) id: 693e560875 (このIDを非表示/違反報告)
怖莉(プロフ) - あ、ヤベ、鼻血出そう(笑) (2016年8月20日 12時) (レス) id: 9dbd352d62 (このIDを非表示/違反報告)
自称美少女www - 葵さん» 女の子…『愛してる』と言いながらの赤面ですかね…いれてほしい! (2016年5月16日 17時) (レス) id: 1e1ea86f7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葵 | 作者ホームページ:https://twitter.com/uranai_aoi/status/929368202894721025
作成日時:2016年3月30日 16時