番外編5 ページ26
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カルマをちらっと上目遣いで見上げる。困惑の表情をじっと見つめれば何か吹っ切れたのか、カルマがにやりと口角を上げた。背筋が凍る。
「どうしたの、A?」
「っ……んーん、何でもないよ」
何か面白い物でも見つけたような。遊びたがる子供の様にカルマの目は輝いている。その対象とは明らかに私だ。思わず目を逸らした私間違ってない。
今度は私が視線を感じる番。なんだか物凄く恥ずかしくなったからカルマの腕にそっと額をぶつける。そのままグリグリと頭を擦りつけると優しく頭を撫でられた。
「今日甘えたい日?」
「えっ、あー……まぁそんな感じ、かな……?」
優しい手つきからは考えられない程の裏のありそうな笑顔に戸惑う。曖昧に笑っておくと、そっかそっかー。と満足気にカルマが頷いた。一体何だって言うんだ。まぁ大体の事なら耐えてやらん事も……
「取り敢えず脱がない?」
「脱ぐか馬鹿!!!!!」
流石に無理だった。
反射的に手を払い除け、べりっと離れる。お前私が大人しいと思って調子乗りやがって。嘗めてんのかコラぁ!!! 今の絶対セクハラだろ!!!!!
「何急に怒ったの? ほらほら、沢山甘やかしてあげるからこっちおいで?」
「絶対行かないし! 調子乗ってんじゃねぇよ!!」
カルマの発言にいちいちイラッとする。大体何なんだ。元凶お前だろ。何で私がこんな目にあってるんだ。
周りが誰も助けてくれなくて、莉桜ちゃんは未だにスマホを向けているのを見てか、多分カルマは状況を理解したのだろう。誰よりも楽しそうに滲み寄って来る。
「積極的なアピールには俺もそれなりに応えないとでしょ?」
「いや嘘だから大丈夫ホント要らないて言うか勘弁してください。これ以上はキャパオーバー」
「俺を騙そうなんて百年早いっての」
「途中まで騙されてた癖に何言ってごめんなさい!!!!!」
何かが可笑しいと思った。もう二度と仕返しとか考えません。覚えてる限り。
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葵(プロフ) - れぃ(わー抹茶)さん» 返信遅くなってすみません!!ありがとうございます!!そう言って貰えて嬉しいです!!更新相変わらずマイペースですが頑張らせて頂きます。 (2018年12月11日 18時) (レス) id: eeb8e01c6f (このIDを非表示/違反報告)
れぃ(わー抹茶)(プロフ) - 1話から全部見ました(・ω・)ヨダレとにやけのパラダイスですありがとうございます更新頑張って下さい() (2018年11月13日 6時) (レス) id: 657b3d0cf7 (このIDを非表示/違反報告)
シエンタ - あ…鼻血が…反則だろ…うぅ… (2016年10月16日 4時) (レス) id: 693e560875 (このIDを非表示/違反報告)
怖莉(プロフ) - あ、ヤベ、鼻血出そう(笑) (2016年8月20日 12時) (レス) id: 9dbd352d62 (このIDを非表示/違反報告)
自称美少女www - 葵さん» 女の子…『愛してる』と言いながらの赤面ですかね…いれてほしい! (2016年5月16日 17時) (レス) id: 1e1ea86f7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葵 | 作者ホームページ:https://twitter.com/uranai_aoi/status/929368202894721025
作成日時:2016年3月30日 16時