番外編3 ページ40
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カラコロとAの口が動く。自分の口にも飴の甘さが少し伝わってくるが、物足りなくなってAの口に舌を突っ込んだ。
半ば強引に飴を貰おうとすると、Aの腰に旋律が走った。その反応が楽しくて少し意地悪。飴とついでにAの舌も一緒に吸ってやる。
「んっ、むぅっ!?」
必死にしがみついてくるAの反応に満足して、飴玉を貰った。
それを機に逃げ出そうとするAを牽制すべく後頭部にも手を回して、無い距離を更に詰める。
下手くそな息継ぎとか、苦しそうに歪める顔がどうにも可哀想で可愛くて、飴玉溶かすのそっちのけ。
わざとらしい音を立てながら何度も何度も受け渡しをしていると、トントンと胸元を叩かれ、潤んだ瞳で何かを訴えられた。
……酸欠かな。と飴を奪ってから唇を離してやる。
「はっ、ふぅ……ぁ……」
「あと三秒ね」
「へ?」
「さん、にー、いち、終わり」
「え、っんぅ……っ」
まって、と舌っ足らずに言われても聞こえないフリ。再び唇を合わせると悔しそうに睨まれる。そんな目されるとは心外だ。
――…
「ふ、ぅ……は、っはぁ……!」
「酸欠?」
「な、がいの……」
殆ど溶けたかなってとこでAが飴を噛み砕いた。仕方ないのでこのゲームは終わりにする。
腕の中で必死に息をするAの背中を叩き落ち着くのを待ってやる。
「でも気持ち良かったでしょ?」
「言って、ないよね……」
「顔が言ってるよ。長いキス出来て良かったねー」
「うるさい……」
「……じゃあ何? 嫌だったの?」
にっこりと笑いかけると赤い顔をふいっと逸らす。その顔バレバレだって。
「……恥ずかしかったの」
「知ってる。でも俺、キスしてる時のAの顔好きだよ」
「かお……?」
「息継ぎ下手だからすぐ真っ赤になってさぁ、必死に訴えてくるやつ。もっと欲しいのかなーって」
「言ってない!」
「そう? じゃあ確認しよっか」
「確認?」
キョトンとしてるAに、今度は違う味の飴を見せる。
「――途中で噛んじゃったから、もうワンゲームだね?」
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葵(プロフ) - あいくさん» ありがとうございます!コメントめちゃくちゃ喜ぶタイプなので嬉しいです!私もコメント躊躇う奴ですけど…笑 イラストまで嬉しいです!頑張って綺麗系目指しました笑 これからもマイペースにやらせて頂きます。 (2018年9月18日 20時) (レス) id: eeb8e01c6f (このIDを非表示/違反報告)
あいく - 葵さんの小説、いつも読ませて頂いてます!とっても面白いです!結構前から読んでたんですけどコメントする勇気が無くて…。兵藤ちゃんのイラスト、とっても可愛いです!お姉さんっぽい感じですね! (2018年9月18日 19時) (レス) id: fcedbe313e (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - ルラさん» ありがとうございます!1週間なんて……!更新マイペースなのですぐ追いつかれますね()これからもボチボチ更新していきたいと思います!勉強の小休憩にでもなれば幸いです! (2018年9月10日 19時) (レス) id: eeb8e01c6f (このIDを非表示/違反報告)
ルラ - 一週間くらい前に読み始めて、あっという間にpart14まで!受験生なのに (2018年9月8日 20時) (レス) id: e6ca85b3e9 (このIDを非表示/違反報告)
ルラ - 一週間くらい前に読み始めて、あっという間にpart14まで!受験生なのに (2018年9月8日 20時) (レス) id: e6ca85b3e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葵 | 作者ホームページ:https://twitter.com/uranai_aoi/status/929368202894721025
作成日時:2016年3月15日 16時