【赤羽 業】毒舌少女は元A組!!part12

毒舌度４７５％ ページ32

――…





「さて皆さん。晴れて全員E組を抜ける資格を得たわけですが……この山から出たい人はまだいますか？」

「いないに決まってんだろ」

「二本目の刃はちゃんと持てたしこっからが本番っしょ、この教室は」

「こんな殺しやすい環境は他にないしね」


　殺せんせーのごく当たり前の問いには、ごく当たり前に前原と三村が答えた。きっと言うなら今しかないのだろう。

　銃弾やナイフを笑いながら避ける殺せんせー。私は席を立ってプリント一枚引っ掴んで教卓に向かった。

　ざわついていた教室が静まり返り、みんなの視線が私に向く。カルマの不安げな視線を目の端に追いやって、私はいつもの殺せんせーにペラリとプリント……にしては少々立派な紙を渡した。


「せんせ、見て。昨日貰ったの」

「これは……？」

「推薦書。私の志望校への」


　静かにそう告げれば教室がどよめいた。ガタガタと皆が席を立って、推薦書を覗きに来る。

　何時もより気を遣って書いた字で自己PRや志望理由をきっちりと埋めつくしている推薦書は、皆を驚かせるには充分だったらしい。


「うわ……全部埋まってるよ……」

「E組にいても貰えんのかよ……」


　私は前原に違うよ。と笑って否定した。


「どんなに成績が良くても、素行が良くても、E組じゃ渡せないんだって。受諾して貰うには、」





　――A組に戻る必要があるんだって。

　教室がまた水を打ったように静まり返った。

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