毒舌度384% ページ32
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委員長に言われるまま私は木材を片手に持つ。肩に担げばもう二つは持てる事が判明。
『やぁだぁー。重くて持てなぁい。腕痺れちゃうよー』
「うっせぇ、キモいわ。片手に木材三つも持って言う事じゃねぇし働け」
『おのれこの野郎前原。シメちゃうぞっ』
「何キモい声で恐ろしい事言ってんだよ」
『お前そんなんでよく女の子にモテてるな。死ねその秘訣教えろ』
「優しさじゃないか?」
『じゃあ私パーフェクトだね。早速カエデちゃんと結婚してくる』
「安易に未来が想像できるからやめとけ」
『幸せな家庭でしょー? 勿論私が働いて稼いでカエデちゃんに手作り料理を振る舞って貰うんだよ。最高かよ、はぁーどっこいっしょっと……』
野太い声を出しながら木材をその場に下ろす。おっさんくせぇ……と呟く前原に喝入れる為に私は背中をばしぃん! と叩いた。予想以上にいい音が鳴り前原も叫ぶ。痛かったのかな? そりゃちょーーーっとだけムカついたけど別に怒ってなかったし、偶然に偶然が重なって前原に被害が行けば良いなぁとか脳裏を過ぎったけど、力加減したつもりだったんだけどなぁ。
痛かったんなら満足です。全く怒ってません。
切り出した木材を運んでいると、館内の方から小柄な影が駆け寄ってくるのが目の端に写った。
タタタッと軽やかな足取りで来るのは……あ、やっぱり柚君だ。元気だなぁ。
「お姉さん見つけた!」
『やっほ柚君さっきぶり。どーしたの?』
「……お姉さん、勉強出来る?」
『えッ』
予想外の言葉に私は木材を落としかける。慌てて両手で押さえ、柚君に何で? と聞き返した。他の奴らが変な事吹き込んだんなら今すぐそいつ等ぶっ叩く必要がある。
「勉強、見て欲しいなって……」
『任せて。こう見えて学年主席狙えるレベルだから』
結婚しよ。と言う言葉を呑み込み、私はにっこりと微笑んだ。パァっと嬉しそうな顔をして柚君は先に用意してるね! と館内に戻って行った。何あの子可愛い。
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葵(プロフ) - runamomoyukoさん» わーい!!ありがとうございます!! 返信遅くてごめんなさい!!! 読み直して貰える様な作品になってて嬉しい限りです!! (2019年6月5日 15時) (レス) id: f205b8954e (このIDを非表示/違反報告)
runamomoyuko(プロフ) - めちゃくちゃ面白い!!暇があればいつも読み返してます! (2019年6月1日 21時) (レス) id: 8880909aab (このIDを非表示/違反報告)
綾斗(プロフ) - 葵さん» マイペースでも大丈夫です!!頭の片隅に置かず、しっかり覚えておくつもりですww (2017年8月7日 23時) (レス) id: 2000cf866d (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 綾斗さん» 更新疎かでごめんなさい。バイト始まるまではもうちょっと頑張る予定です。楽しみだなんて照れくさいなぁ、ありがとうございます!更新はホントにマイペースなので頭の片隅にでもこの作品を置いて貰えれば幸いです。 (2017年8月7日 18時) (レス) id: dcc347a630 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - サヤさん» 椚ヶ丘のジャージウロ覚えだったけどね((不器用極めたって言うおまけ付きだから私に何か求めるのはやめた方が良いよ(切実) (2017年8月7日 18時) (レス) id: dcc347a630 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葵 | 作成日時:2015年12月30日 15時