80話 冷静な2人組 ページ32
千空 side
結局この違和感は分からないまま
クロム達は倉庫から去っていった
さてAも帰る、という所を
既のところで呼び止める
『ンだよ、俺はもういる意味ねぇだろ』
千空｢まぁな。だが、もうちょい話がしてぇんだよ。村の狂犬サマとな｣
『………』
何かを悟ったのか、
Aは人睨みしてから
思いの外すんなり戻ってくれた
さも面倒くさそうにドカりと座る
そのまま口を開いた
『で、話ってなんだよ』
千空｢ククク、ド直球過ぎて笑えるな｣
『俺は早く帰りてぇんだよ』
千空｢なんでだ？｣
『なんでもだ。だいたい、怪我人が寝てる中男2人で何を話すってんだよ』
千空｢あぁ、お前が早く帰りたいなら俺も単刀直入に聞く。
＿＿＿＿＿＿お前、何か隠してるだろ｣
『……はぁ？』
Aは意表を突かれたと言わんばかりに
口を大きく開けた
その反応がわざとなのか素なのかは分からない
『それ今聞くか？普通』
千空｢今聞かねぇと、次いつ会えるかの保証もないんでな｣
そう言うと返す言葉がないのか
Aは口を噤む
そして数秒後
顔を逸らし、いかにもな感じで一言
『……何もねぇよ』
静かにそう告げた
千空｢………｣
やはりどこか、違和感を覚える
"何もない"
コハクにも言っていた言葉だが
なんかそこに、
いつものような張りがないというか
まるで、何かを
何かに耐えているような＿＿＿＿＿＿
しばらくはどちらも口を利かなかった
お互いの呼吸が
夜の空気を揺らす中で
ただ1人、寝ていたはずのメンタリストが
比較的穏やかに口を開いた
ゲン｢千空ちゃん……｣
突然なもう1人の声に
俺もアイツも息を呑む
千空｢起きたのか｣
『もう大丈夫なんかよ』
叫びも喜びもしない俺らに
メンタリストは小さく笑った
ゲン｢お陰様でね｣
千空｢本音は｣
ゲン｢殴られたとこめちゃくちゃ痛い｣
『バカかよ』
起き抜けにしては
なかなかにテンポ良く回る会話
話が逸れてしまったと思わないでもないが
未だ何に対しての違和感なのか
分かっていない以上
話を切り出そうにしても切り出せない
また今度聞くしかないかと
半ば諦めかけていた時
それはとても唐突だった
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雨迷(プロフ) - この作品大好きです！これからも応援してます！ (2022年5月14日 12時) (
レス) id: 78a4c6a909 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 教えて頂きありがとうございます！そういう事だったんですね…早く読めるの楽しみにしています。 (2022年5月13日 20時) (レス) id: a78013dc1d (このIDを非表示/違反報告)
脅威のセラフ@wrwrdファン(プロフ) - 桜花さん» おそらく、下書きをしてそれを非公開として保存しているのだと思いますよ♪ (2022年5月13日 20時) (レス) id: 602d714d2e (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - [更新されました]ってなってて、物凄く読みたいのに見れないのってWi-Fiとかが悪いからなんですかね…。ホントいつもいつも「いつ更新されるかなー」ってとても楽しみにしているんですけど…なんか知っている事があったら教えて欲しいです。 (2022年5月13日 20時) (レス) id: a78013dc1d (このIDを非表示/違反報告)
りこ(プロフ) - 狂犬君が一体過去に何をしたのかめめめめちゃんこ気になる〜！！ (2022年5月2日 1時) (レス) @page9 id: 9db3f9f6b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨宮夜空 x他1人 | 作成日時：2022年4月22日 19時
