歌い手だらけの歌荘でシェアハウス！【２】

過去３ ページ12

私は次の日には荷物をまとめ、家を出た。

今まで散々憎んできた門を超えて、

待ち構えているリムジンに足を勧めた。

足を進めながら、ふと思った。

普通の家庭に生まれたかった。

…こんな生活から抜けられるのを、

いつにない喜びで分かち合える友が、

普通に欲しかったと、改めて思った。

リムジンに近づくにつれ、人影が見えた。

あいつらが言っていた、監視役だろう。

執事じゃないのかって？私からしたら、

あいつらの番犬のような監視役だ。

どーせ、私を見張ってなんかあったら、

あいつらにチクる。ただそれだけ。

監視役の前では気を抜いたら負けだ。

あぁ…この家を出ても、自由はない。

私の長いロングヘアーの髪の毛が、

春の暖かく、儚い風になびいた。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

リムジンの前に立つ、背の高い監視役。

見たことがない監視役だ。

？「お待ちしておりました、 時雨様。
私は、今日から 時雨様の執事となります、
天知 要(ﾃﾝﾁ ｶﾅﾒ)と申します。今後とも、
宜しくお願い申し上げます。」

そう、律儀に挨拶をし、深く礼をした。

まぁ、どうせ、仮の姿でしょ。

「どうも、成瀬 時雨です。要…さん？
宜しくお願いします。」

軽く微笑み、15°くらいに礼をする。

要「はい、 時雨様。では、ご案内します。
どうぞ、お乗り下さいませ。」

ドアを開け、微笑む要さん。

私は初めて、心があったかくなった。

私もいつか…こんなふうに笑えるかな…。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

天知 要。

誰だかもうおわかりですよね！？

そう！vip店長です！

これからは、店長「〜〜〜」みたいに、

表示しますので、宜しくお願いします！

過去４→←ついに！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す