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悲しい匂い、悲しい涙 ページ5

「っ……はぁっ……はぁっ……」

息が苦しい……冷たい空気が肺に入って痛い……

炭「くっ……」

今にも倒れそうになるのを必死に堪えた

子供「お兄ちゃん!!大丈夫!?」

背負っていた子供が心配そうに言った

炭「あぁ…大丈夫だぞ!!俺が……絶対に何とかするからな!」

余裕が無い事を隠すよう、俺は精一杯の笑顔で答えた

足を踏ん張り、また駆け出した

(この先を行けば、村に出れるはず……何としてでもこの子だけは送り届けないと……!!)

それだけを考え、必死に走る

炭「君は……何て言うんだ?」

少しでもこの子を安心させようと、俺は名前を聞いた

子供「え…ぼ、僕は……鷹虎だよ……」

炭「鷹虎か!!強そうな名前だなぁ!!」

鷹虎「そ……そうかな……でも、名前だけだよ……」

炭「そんな事は無いぞ、今まであんな怖い鬼に一人で頑張っていたんだからな。」

俺がそう言うと、鷹虎は不安そうに尋ねてきた

鷹虎「お、お兄ちゃんは……何でここにいるの?」

炭「俺は、鷹虎の事を襲おうとしたあの鬼を倒す為に来たんだ」

鷹虎「お、鬼?あれが……鬼なの?」

炭「あぁ…そうだぞ、あれが鬼だ…君の村の人達を怖い目に合わせようとしているんだ」

鷹虎「村の人を……?」

炭「ああ…」

ふと、俺の肩に置かれた鷹虎の手に力が入った

鷹虎「ひぐっ……うぅ……」

炭「鷹…虎?」

鷹虎からはとても深い悲しみの匂いがした

鷹虎「僕の……僕の母ちゃんと父ちゃんは………」

少しの間が空いた後、苦しそうな顔で鷹虎は言った

「……その鬼に殺されたんだ……っ」

炭「え……」

ポロポロと零れ落ちる涙は俺の肩を濡らしていく

炭「…………っ」

許させなかった……こんなにも幼い子供から親を奪うなんて……

こんな涙を流させるなんて……

俺が……この子の代わりに仇を取らなければ……

俺が……!!

そんな気持ちがいつもの間にか俺の足を速くした

息が苦しいなんて言っている場合じゃない、直ぐにでも仇を討つんだ

やがて炭治郎は呼吸を使い、全身に血を巡らせた

(何の為に俺は呼吸を学んだんだ……!!)

炭「全集中 常中……」

かなり肺に負担が掛かるが、それぐらいどうって事は無かった。

身体能力が徐々に上がっていく事が分かると、俺は一気に山を駆け下りた

約束→←鬼ごっこ



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設定タグ:鬼滅の刃 , 恋愛 , 竈門炭治郎   
作品ジャンル:恋愛
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豆大福 - はじめまして!そのようなお言葉を頂けて嬉しいです!体調管理も整えた上で更新します。貴方様もご自愛ください。 (2021年9月17日 23時) (レス) id: dfee756c2e (このIDを非表示/違反報告)
さら - はじめまして!!このお話凄く大好きです!!炭治郎くんめっちゃ大好きです!!お話続き楽しみにしてます!!コロナで大変ですが、お体には気を付けてくださいね!! (2021年9月13日 23時) (レス) id: d237d559b7 (このIDを非表示/違反報告)
シルビア☆姉貴 - 豆大福さん» 太陽は克服しているため、日中でも外出は出来る。屋敷には藤、薔薇、コスモスの花が植えられている。 (2021年6月2日 18時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
シルビア☆姉貴 - 豆大福さん» 青葉の口ぐせは「教えてもらうんじゃない!!!!見て盗め!!!!」 (2021年6月2日 16時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
シルビア☆姉貴 - 豆大福さん» そして、漆ノ型の雪の癒しは自分の怪我と味方複数の怪我を癒すため、かなりの体力を消費する。 (2021年6月2日 14時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:豆大福 | 作成日時:2020年8月20日 0時

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