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不思議な力 ページ22

暫くして、Aは布団を敷いてくれた。

『たん、じろ、おふろ、はいる?』

炭「風呂?」

そう言えば、前に泊まらせてもらった時は凄く疲れていたからそのまま眠ってしまったけど…

(今は任務終わりで汗臭い…それに、禰豆子も身体を綺麗にしてやらないとな)

炭「出来るなら風呂に入りたいけど…」

それを聞いたAは、戸を開けると外へと出ていった。

暫くすると、再び戻って来て俺達に言った。

『じゅんび、できた!』

Aは手拭いとヒノキで作られた桶を俺に手渡すと、外へと出るように言う。

炭「ちょっと待ってくれ!」

困った事があった。

生憎、夜が明けたばかりの吹雪山には陽光が差し込んでおり、到底禰豆子が出歩くことは困難だった。

炭「禰豆子は陽の光を克服していないから、今外へ出ることは出来ないんだ…」

炭治郎が眉を下げると、禰豆子も残念そうに眉を下げた。

そんな二人を見て、Aは『だい、じょぶ!』と笑った。

炭「え?」

不思議に思う二人の前で、Aは外に出た。

すると、Aはゆっくりと上空に向かって両手を伸ばした。

炭「A?」

一体何をしているんだろう、そう思ったのも束の間。

Aが両手を一気に地面へと振り下げた瞬間、ゴォォンッと轟音が鳴り響いたかと思えば、猛烈な吹雪が吹き始めた。

炭「!?」

目前の状況を理解出来ずにいる中、辺りはあっという間に銀世界へと変わり、差し込んでいた筈の陽光もあっという間に消え去ってしまった。

炭「え、えぇぇぇ!?」

あまりの出来事に思わず大声を出してしまった。

『あらら、ちょっと、やり、すぎちゃた』

Aは申し訳なさそうな顔をすると、今度は人差し指で空中に弧を描いた。

すると、音も無く辺りの吹雪は消え、しんしんと雪が降り続けるだけだった。

『これ、で、だいじょ、ぶ!!』

そう言うと、Aは俺達を外へと連れ出した。

炭「凄い…」

先程まで顔を出していたお天道様が、今は雪雲に覆われている。

炭(これは、彼女の血鬼術なんだろうか…)

また一つ、Aの謎が深まった。

俺は禰豆子の手を引くと、Aについて行く。

家から少し離れた所に、薪小屋があった。

前に一度手伝いをした時に見た事のある小屋だった。

Aはその小屋の先にある、小さな細道を抜けていった。

炭「こんな所に道なんてあったのか」

前に来た時は気が付かなかった。

俺は禰豆子を抱えると、細道を通り抜けていった。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 恋愛 , 竈門炭治郎   
作品ジャンル:恋愛
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豆大福 - はじめまして!そのようなお言葉を頂けて嬉しいです!体調管理も整えた上で更新します。貴方様もご自愛ください。 (2021年9月17日 23時) (レス) id: dfee756c2e (このIDを非表示/違反報告)
さら - はじめまして!!このお話凄く大好きです!!炭治郎くんめっちゃ大好きです!!お話続き楽しみにしてます!!コロナで大変ですが、お体には気を付けてくださいね!! (2021年9月13日 23時) (レス) id: d237d559b7 (このIDを非表示/違反報告)
シルビア☆姉貴 - 豆大福さん» 太陽は克服しているため、日中でも外出は出来る。屋敷には藤、薔薇、コスモスの花が植えられている。 (2021年6月2日 18時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
シルビア☆姉貴 - 豆大福さん» 青葉の口ぐせは「教えてもらうんじゃない!!!!見て盗め!!!!」 (2021年6月2日 16時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
シルビア☆姉貴 - 豆大福さん» そして、漆ノ型の雪の癒しは自分の怪我と味方複数の怪我を癒すため、かなりの体力を消費する。 (2021年6月2日 14時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:豆大福 | 作成日時:2020年8月20日 0時

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