【赤羽 業】毒舌少女は元A組!!Side Story-４-

コラボ作品17 ページ39

「……え、……ん？ え！？ 何で！？」


　忘れた頃にそんな話題を出され取り乱すが、香澄ちゃんは悪気の無さそうな顔で続ける。


「私の周りってことごとく恋愛経験のある人がいないんですよねー。なのでやはり現在進行形で恋人されてる方にご教授願いたいなーと」

「あ、えっと……れ、恋愛経験とか、そんなのないです……。別に普通だし……」


　そんな全うに聞かれても困るのだ。意識してた事もないし、人様の参考になるような事はしてない、と思う。


「え？ でもお付き合いされてる方がみえるんですよね？ 数ヵ月の。告白はどちらからされたんですか？ どんなシチュエーションだったんですか？」


　何故かグイグイと来る香澄ちゃんに困惑し口篭る。いる、いるよ。とってもムカつくけど顔が良い方が。しかしそれを話せって言うのは中々難しいんだ。

　……と、興味津々な香澄ちゃんに言えるか。突き放す様な言い方も出来ずに少し沈黙が続く。





「……き、聞いても大して参考にならないと思うけど……その、付き合ったのは修学旅行で……告白は彼からデス……」

「ほうほう。それでお返事は？ その場ですぐに？」


　好奇心が怖い。熱持った頬を隠したかったが、生憎手は塞がってる。髪で隠すように俯いた。


「……うん、待たせるって頭が無くて……」

「へ〜え〜。……その、彼氏さんが告白に踏みきられたきっかけというのはお聞きになったんですか？」


　きっかけ。カルマが踏み切った理由？

　何時だか、結構前から好きだったみたいな事は聞いたことがあったが、そう言えば、何でわざわざ修学旅行中だったんだろうか。あの時は一瞬と言えど、私はカルマに好きな子がいると勘違いした位だったっけ。

　あの時は頭がいっぱいだったから、あまり詳しくは覚えてない。


「直接聞いた事はない……」

「あらそうでしたか。ではやはり、何かしらのイベントを利用するときっかけになりやすいのですかねぇ……」

「まぁ修学旅行は結構大きいイベントだもんね……。謎に明け方だった気もするけど……」

「……もしかすると、朝早く目が覚めて旅館内うろついてたパターンですか？」


　僅かに静止した香澄ちゃんの言葉に頷く。散歩して、ついでに台本読んでただけだったが、それがどうかしたのだろうか。

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