【赤羽 業】毒舌少女は元A組!!Side Story-４-

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『ひーろとっ』

『寄るな』

『逃げれないように四肢引きちぎるぞ』

『お前がキモい事してくるからだろ』

『一理ある』


　俺が着替えて外に出た時にはもう遅くて、Aは前原と組み終わっていた。

　ペアナイフ術とか、俺でもいいじゃん。何でわざわざ前原なんだよ。

　そんな事をAに直接ぶつける訳にもいかず、黒い感情を抱えたまま渚君とペアを組む事になった。





『Aはトロいなぁ。足動かせよ』

『おうおう喧嘩売ってんななぁ？ 私がナイフ当てたらお前放課後ダッシュしろよ』

『痩せる為にもお前がやれよ』

『何でだよ！ そこまで太ってないだろ！！』


　ギャーギャーと喚く声はここまで届く。

　何時もの会話。あそこは俺のポジションの筈なのに。

　Aの姿を目で追ってしまって、全然練習に身が入らない。





　ふとAの靴紐が解けてるのが目に入る。あれ絶対コケる。あいつはコケる。

　謎の自信を携え、ついでに声掛けてやろうかと渚君との練習を中断。フラフラとAのとこに行こうとするが、


「A、タイム……疲れた……」

「さては雑魚だな？ しょーもない体力しやがって」

「っはぁ？ お前が俺を動かすんだろ」

「大袈裟に交わしすぎなのー」


　前原のタイムに耳を貸さないAはまだまだ元気そうだ。楽しそうに素振りしてる。


「勝負に待った無しでしょ？」

「勝負だったのかよ……。あ、おい、Aっ！」

「ふぎゃっ！？」


　はいやった。予想通り、Aが見事に顔面からコケた。直ぐに起き上がるが顔に砂を付けて、しかも軽く擦り傷を作っていた。

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