【赤羽 業】毒舌少女は元A組!!part17

毒舌度６２４％ ページ7

「……ッそれに……生徒を守るのは……教師の当たり前の義務ですからッ……」


　受け止めた触手を捻る殺せんせーをそうか、そうかと鼻で笑う柳沢。


「だがな、その義務も我々の手で否定される。
　お前は間もなく力尽き……そこまでして守った生徒も……俺の手でなぶり殺す。
　お前が、我々の人生を破壊してまで手に入れた一年。その全てが無駄だったと否定してやる。それで――」

「ッそんな訳ないだろ！！」

「Aさんッ……！？」


　烏間先生にやめろ、と咎められる。先生にまで被害を及ばせない為にもと、私はゆっくりと柳沢に近付く。


「ほぅ……。自ら標的になるか」





「先生が命を掛けて尽くしてくれた一年のお陰で、私達は成長出来た！ 沢山の思い出を作れた!! 無駄じゃないんだよ!! 仮に、例え殺せんせーが殺されて、私達がアンタに殺されたとしても、思い出は消えないの!!」

「私成り行きでこのE組に入ったけど、本当にいいクラスだった！ 皆と、先生のお陰で、さして努力もせず、それなりの結果を残せてた私でも！ 初めて本気で取り組めた!! 初めて先生の為に、皆の為にと努力した!! 父さんの事だって振り切ってきた!! 口先だけじゃないって証明してきた!! ……アンタに殺された位じゃ、この一年はなくならないんだよ！ 何も知らないアンタが、軽率に否定していい事じゃないんだよ！！」


　こんなに感情だけで叫ぶと、どうしても涙が滲んで来る。こんな事、滅多になかったのに。

　かき消されんばかりの勢いで触手が飛んでくる。Aさんッ！ と殺せんせーに呼ばれた。





　殺せんせーの体力をこれ以上使わせたくない。その一心は黒い触手を見切った。

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